【LEGIT KATANA LLC】日本のコンテンツを世界へ 代表社員、瀧内泉さんに聞く!エンターテイメントの基本(LEGIT)から作り出されるOmotenashi(おもてなし)(後編)

世界に日本のコンテンツを発信されることに尽力している瀧内さんへのインタビュー後編です。

前編ではコンテンツ制作に隠された工夫点や日本とNYCブロードウェイの違いについてお伝えしてきました。

早速後編をご案内します!

【LEGITが全ての本質。まずは本質を守ること!そこから新たなビジネスが生まれる。】

現代の競争社会で生き残るには、世界情勢を知り柔軟に対応していく必要があると瀧内さんは仰っています。ここからは、ビジネスの本質について海外での仕事経験が豊富な瀧内さんの視点でお伺いします。

(2019年 マレーシア日本映画祭 是枝裕和監督 『海よりもまだ深く』 主演 樹木希林さんと)

まずは瀧内さんに会社の名前でもある「LEGIT」について教えて頂きました。

瀧内さん(以下、瀧内):LEGITには「正統劇」という意味があります。古代から人が何かを伝えるには歌うか踊るか話すしかなかった、伝えるための全ての原点、本質がまさにLEGITなのです。LEGITを映画のカメラに映し映画館で上映すればMovieになり、LEGITをTVカメラに映してTVで映せばTV Dramaになります。このように伝えることの全ての原点であり本質がLEGITと言えます。エンタテインメントの本質を見極めて大事にしようという理念が、私たちのチームのスタンスになっています。

NYCにあるエンタテインメント情報の中では、かつてはLEGITという項目の中にMusicalやPlay(演劇)、などが含まれていたそうです。LEGITが全ての本質であることを初めて知ることができました。

ー大事な本質であるLEGITがあり、そこからいろんな形のものが生まれていくのは楽しみですね。瀧内さんはここからどのように派生させていこうとお考えですか?

瀧内:多くのお客様は「型」に安心感を感じます。なので「型」が浸透しないとビジネスにはなりません。TVや映画も、そのメディアが生まれた最初の時には「これ何?」とお金にはなりませんでしたが、お客様が徐々にその「型」に慣れてこういうものなんだ、と慣れて安心感を持っていくことで浸透していきました。しかし、新しい「型」を作るときには、常に本質に立ち戻ることが大事です。TVや映画、もちろんミュージカルという「型」から新しい「型」にスライドさせるのではなく、常に一度、本質であるLEGITに立ち戻ってから時代に合わせた「型」を生み出そうとすることが大事なのだと思ってます。遠回りに見えるかもしれませんが、結果的にはそれが新しい「型」が生まれる近道だと思っています。

-瀧内さんは今までいろんな国で新たなコンテンツに関わられてきたと思いますが、その中でご苦労された経験はありましたか?

瀧内:私もまだそんなに経験はないですが(笑)一つ言えることは、プロダクトアウトとマーケットインのバランスが大事なのだと思っています。

※注釈

プロダクトアウト:企業が生産・販売活動をする際に、消費者のニーズは無視し、生産者側の都合を優先するという考え方。

マーケットイン:企業が生産・販売活動をする際に、消費者のニーズを満たす製品であることを最優先する考え方。

三省堂 スーパー大辞林3.0

日本はこのプロダクトアウトの考え方が強いですよね。。。「いいものなんだから売れるはず」「日本の値段を押し付けると現地では高いかもしれないけど売れるはず」この考え方が、世界で何かを展開していく時にうまくいかなかったりするんです。そこが悩ましいですね。マクドナルドやスターバックスは、初めはその国に合わせたサービスや価格を提供するなどマーケットインから入り、シェアと認知度をとることから始めて、その後どんどん大きく広がっていくんです。

(2016年 アブダビ 日本アニメイベント)

これはエンターテイメントの世界だけではなく、全ての業界にも当てはまることではないでしょうか。日本の作品は評価が高く海外の方たちも取り入れたい思いはあるようです。ぜひ日本が抱える殻を破り瀧内さんには世界と日本の架け橋として日本のコンテンツを発信して頂きたいです。

【瀧内さんの思う究極のOmotenashi(おもてなし)とは、これから狙っていることとは】

(2019年6月 就活生と映画会社・テレビ局・出版社勤務社会人との就職相談懇談会)

いよいよインタビューも終盤です。まずは私たちのインタビューの趣旨でもあるOmotenashi(おもてなし)について伺います。

自分自身を知って初めておもてなしが生まれる

ー瀧内さんは今まで様々な形で「人に伝える」ということに携わってこられていますが、その根底にあるOmotenashi(おもてなし)を教えてください。

瀧内:私のところには「アナウンサーになりたいです」「ミュージカルの仕事をしたいんです」という、就職活動の学生が相談に来ます。そこで、「その仕事に就いて、何をしたいの?」と聞くと、うまく答えられない人が多い。手段が目的になってしまっているんですね。

アナウンサーでなければ客室乗務員になりたいという希望をお持ちの女性も多くいます。就職活動においては、アナウンサーと客室乗務員の志望動機は異なることを言わなくてはいけないことになりそうですが、実は、その学生の中に流れている本質は、ひとつなのでは?と私は思っています。「いい暮らしがしたい。」「人からすごいと言われたい。」「結婚生活に有利な男性を捕まえたい」など。。。表立っては言えないかもしれませんが、人が生きていくための本質は、根本的な欲に起因していますし、そこを認識することが大事だと思っています。

なので、学生さんには、まず、自分にとって本当に大事なものを見極めよう!というところから始めます。それが自己分析の本質だと思うのです。一方で、そこに気づいて認めることは、ちょっと怖いことでもあるんですけど。。。

自分にとって本当に何が一番大事かを認識できていれば、手段が叶わなくとも前に進んでいけると思うのです。手段はたくさんある、手段にこだわる必要はない、というのが私の考えです。

「自分がこうしたい!こうなりたい!こう生きていきたい!」が分かっているからこそ、他人が大切にしていることも認められる。そこから始めないと人に対して本質を伝えることはできないと、私は思っています。

コンテンツのプロデュースでも、相手本位でお客様に楽しんでいただくというよりも、今の時代にこのメッセージを届けたい!という自分の意思を強く持つことが、最上位概念として大事だと考えます。

ー瀧内さんのOmotenashi(おもてなし)の哲学ですね。。。私はこのお言葉を聞いて感動し言葉を失いました(笑)特にこれから就職活動をされる方には響くものがあるのではないでしょうか。自分を知ること、自己分析って奥深いです。。。

そしてみなさん、迷ったり悩んでる姿を不用意に見せる人に、チャンスはこないのだそうです。皆、迷って悩んでいます。しかし、「今の自分はこうなんです!」と言い切れる覚悟や勇気を持てる人に人脈やチャンスが来るとのことでした。

瀧内さんが仰っているのですから、間違いありませんね!!

子どもたちに、人とつながるLEGITを

ーそれでは最後に今後挑戦したいこと、狙っていることを教えてください。

瀧内:NYCでたくさんミュージカルを作り、お客様に楽しんで頂き日本のコンテンンツがもっと世界に知られることです。

と言い切ったように見えましたが、、、

瀧内:行く行くは子どもたちがいろいろなことを学べる、いろいろな人に接することができる学校を造りたいですね!

と大きな夢を語ってくださいました。有言実行の瀧内さんのことなので、近い将来もう実現されていると思いますが。(笑)

瀧内:私はたくさんの人が自由闊達に活躍できる場を作るのが好きなのです。今のミュージカルプロデュースにもその一面があります。日本の若者がもっとエンタテインメントの仕事に携わって欲しい、世界で活躍して欲しい、そのきっかけを作る役割も果たしたいです。そして、さらにその延長戦上で、色んな職種の方(スポーツ、芸術などなど)との人脈を活かし、様々なジャンルのプロの方達との接点になるような場所をいつか子どもたちに作ってあげたいです。

テクニックを教えるというよりは、子どもたちが色々なものを感じられる場所が作れたらいいなぁと仰っていました。場所は国内外どちらでもありだそうです!

そんな夢のような学校に私も行ってみたかったです!!子どもに戻りたい!!(笑)

インタビューを通して瀧内さんの底知れないエネルギーを感じました。瀧内さんの挑戦は終わりません。これからまたどんなビックニュースを世界に発信してくださるのか、、、是非またお話をお伺いしたいです。

今回は貴重なお話をありがとうございました。

(1998年 長野オリンピック「ハイビジョンハイライト」キャスター
「おはよう日本」で羽田空港 全日空エリア(カウンター、ブリーフィングルーム、等)から中継も担当したのですが、、、写真が出てきませんでした。)

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次回は、ワインの巨匠の意思を受け継ぐ、【ジョエル・ロブション元エグゼグティブソムリエ信国武洋氏】が語るこだわりのおもてなし術は案外とてもシンプルだった、というソムリエ界のおもてなしをお届けします。

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