前編に引き続き、ブルックリンでBarを経営されている、MIKAさんのおもてなし【中編】です。今回は、コロナ禍でなぜBarを開業しようと決意されたのか、その真相に迫ります。
【コロナ禍でBarをOpenしようと決意した真相に迫る!】
ーお店を始めようと思われたのは2020年3月と仰っていたMIKAさん。コロナの影響を受け、4ヶ月後倒しになる等の不安のある中、お店の開業に踏み切った理由はなんでしょうか?
MIKAさん:「コロナになったからこそOpenさせなきゃいけない」と思いました。私自身もコロナに感染したり、大切な人を失うという辛い思いをしました。コロナに苦しめられた経験もあった事から、今できることは「このスペースを多くの人にシェアすることだ」と思ったのです。こういう時代だからこそ、人と人との繋がりの場を提供できるのはここしかないという思いからOpenに踏み切りました。コロナがあったからこそ出来た事であると思っています。
ご自身も辛いご経験をされながらも、周りの人の為に行動をされたMIKAさん。人との関わりが少なくなってしまった今だからこそ、コロナ禍で、人と会うという今まで当たり前だったことが出来なくなり、孤独を感じやすくなった今の世の中において、MIKAさんのBarは人との繋がりを感じられる救いの場になっていますね。当然不安もあったかと思いますが、「今だからこそ!」と立ち上がり開業に踏み切った勇気に感動しました。
MIKAさんのInstagramにはお店に来た方々の笑顔がいつも絶えず、人と人とが関わり会えることの喜びが滲み出るように感じられます。
【逆境にも負けない!前向きに頑張るMIKAさんの素晴らしい志】
ー海外でお店を始めるという事で大変なことが沢山あったかと思います。今までご苦労された経験を教えて頂いても宜しいでしょうか?
MIKAさん:苦労は沢山ありますよ。(笑)店内において、お客様にソーシャルディスタンスやマスクの着用を守って頂くなどのルールに則った対応が大変でした。他にも、人種的な問題やSNS関連での問題に心ない書き込みがされるなど苦労がありました。また、このお店の周辺には住宅街があるので、パーティーなどをするにあたっても騒音に気をつけるなど細心の注意を払っています。
ーお家時間が増えたことで、暇な時間をそういった心ない言葉に変えてしまう人もいますよね。。。頑張ろうとしている人に対してそういった態度や言動は悲しいですよね。
MIKAさん:そうですね。現在飲食業界は人手不足になっており、そういった中でしっかりルールを守り働いている人もいるので余計に辛いですね。心が折れそうになった事もありました。とにかく無知でいることが一番良くないので、誤解を与えないような発言や表現であったり、自分の考えばかりに偏らないようOpenMindでいることや文化や人についてちゃんと勉強する事を心掛けています。
ー大変なことが数多くあるようですが、ストレス発散などは出来ていますか?
MIKAさん:出来ていますよ!従業員にすごく恵まれていますし、人に会うことで発散出来ています。また、美味しいご飯を食べたりする事でコントロール出来ています。
いろんな制約がある中で、MIKAさんのように前を向いて頑張っていらっしゃる素敵な方を応援させて頂きたいですし、この『おもてなしの哲学』で是非多くの方に知ってもらいたいです!
【地元に寄り添うBar『 MIKA』、ローカルとビジネスの極意とは】
ーMIKAさんのお店では提供するお食事やドリンクなどに地元の食材を使用したりするなど工夫点がたくさんおありかと思いますが、こだわりを教えて頂けますか?
MIKAさん:Barのテーマを「地元とのコラボレーション」とし、他にはない空間(Bar「 MIKA」でしか味わえないもの)、すなわち付加価値を提供する事を心がけています。私のお店ではアートや音楽、お酒などいろんな物や人とコラボレーションをしています。例えば、コーヒーに関しても近所の若い2人が始めたコーヒー屋さん(Super Lost)のものを使用しています。コーヒーの味が美味しいのはもちろんなのですが、彼らも地元のアーティストとコラボをしていて交流が盛んにしているんです。他にも、紅茶(teapigs)やお酒(kato sake works)もご近所のお店の方の物を使用していて「サポートローカル」という形をコンセプトとしています。ローカルとビジネスは常に意識していますね。
ーご近所の方の素材を取り入れて、地域での交流も大切にされている所がとても素敵ですね。なかなか地元の物を一つのお店で味わえるという事が出来ないと思うので、お客様としても嬉しいですし地域密着型の取り組みにも唯一無二の価値を感じます。
MIKAさん:他にもこのBarのメインはクラフトビールなのですが、16種類のドラフトビールを用意しており、こちらもほぼ全てローカルのビールを提供しています。また、最初は食事がなかったのですがお酒に合うおつまみがあった方が良いという事で、友人のシェフに手伝ってもらい、和とフレンチが融合した和牛ビーフバーガーを始めとする素敵なFoodメニューも出来ました。周りの方々が手伝ってくれた事により、このBarは成り立っているんです。
きっとMIKAさんのお人柄がそうやって素敵な方を引き寄せているんですね。
地元の方々や周りでサポートしてくださる方とMIKAさんの間で、お互いに助け合っているという素晴らしい関係性が生まれていると感じました。MIKAさんのBarで皆の商品を知って頂ける、とても良い機会にもなりますね。
【アートとの融合、コラボレーションが生むおもてなしとは】
ーBar 『MIKA』ではアートとのコラボレーションを様々なイベントを通してされている事を拝見しましたが、開催の経緯など伺っても良いですか?
MIKAさん:私自身が元々アーティストという事もありますが、将来ギャラリーを持ち、いろんなアーティストとコラボレーションをしたいという夢がありました。状況が落ち着いてきたらイベントを恒例化させ、地元を象徴するコミュニティ空間を作りたいと思っています。その夢が思わぬ形で叶ったというのが今の現状です。このエリアには多くのアーティストが住んでいて、客層としては20−30代の若手が主ですが、彼らを通じて作品を飾ったりもしています。これからももっと大きなアートショーを開催し、私のBarを通じていろんなアーティストを知って頂くきっかけを、多くの方にお届けしたいと思っています。
ー夢が一つ叶うってすごい事ですね。アーティストの方との関わりで大事にしている事はありますか?
MIKAさん:私が経験してきたことなのでよくわかるんですが、、、自分の作品を提供できる場所があることがアーティストにとってはとても重要なことなんですよね。作品は「リアル」で見て感じないと伝え辛い部分があります。どんな場所でも自分の作品が目に触れる場所にある事はありがたい事です。なのでそういった「本物の良さ」を知る場所を私が提供出来たらと思っています。やはりアートはオンラインでは分かりづらい所もあるので、リアルで見せることができる場を作ってあげたいですね。
アーティストであるMIKAさんだから分かる事であり、出来る事だと思います。Barに来店されるお客様だけでなく、アーティストとして頑張る方々にもおもてなしの心が溢れ出ていますね。
いよいよ次が最後の章になります。ここまで読んでくださった方は是非、最後までご覧ください!