前編に引き続き、白金コンディショニングセンター 田口昌宏様のおもてなし【後編】です。
今回はついに「体の整備士」の真相に迫ります。
体の整備士とは?
田口さん:3つの側面で活動しているコンディショニングアドバイザーという私の活動を分かりやすくするため、「体の整備士」とも表現しています。
ーいいですね!分かりやすい!
田口さん:飛行機や車に整備士がいるように、体にも整備士が必要だと思います。
ー整体とはまた違うんですか?
田口さん:私が大切にしたいのは施術療法的なものではなく運動療法的で、自分で正しい使い方を身に付けないと良くならないということを伝えていきたいんです。1人ひとり違うので、相手に合わせて変える必要がありますね。
体操と体創という2つの『TAISOU』
田口さん:通常の「体操」はいわゆる体を操るという意味ですが、もう一つ、体を創るを「たいそう」とも読めますね。ですから、私はこの2つを合わせて「TAISOU」と表現しています。
理論やエビデンスと言われるものはもちろん重要ですが、それだけでは試合に勝てないんですね。それを超えた特別な世界がある。それを突破するために大切にしたいのは「創造性」。だから「体創り」と書くんです。
その入り口は「誰をハッピーにするか?」ということです。そこから創造していくと、自ずと突破口が見える。
ー選手が誰かをハッピーに?それとも田口様が誰かをハッピーに…ですか?
田口さん:全部なんです。例えば個人のお客様なら私のセッションが終わった時にどんなふうに喜んで帰っていくかを想像する…。
スポーツチームの場合だと監督とする時もありますし、選手にする時もあるんですが、意外とやるのは試合を見にきたお客さんや子供をハッピーにするにはどうしたらいいかを考えて、ウォーミングアップの構成をしているんですよ。
田口さん:そうすると一見やっていること自体は一緒でも、選手への言葉がけや伝わり方が変わってきたり、自分もワクワクしてくるんです。不思議なものでそれに選手が乗っかって良いプレーが出てきたりとか。
ー全て誰かを喜ばせたいというマインドなんですね。
田口さん:仕事をしている以上、売上を上げると言うのはもちろん大事ですが、必要とされて喜んでくれるというのは最高に嬉しいことだなと何度も思うもんですから。
ー誰かを輝かせる…最高ですよね。
子どもの頃から体磨きを学んで生涯健康な身体に
ーこの先の展望やどんな人をさらにハッピーにするというビジョンもおありなんですか?
田口さん:体にトラブルを持ってしまった方から「もっと早く、子供の頃に知りたかった」という感想が非常に多く聞かれます。
ですので、ゆくゆくは子供たちに理想的なTAISOUを身に付けていってもらいたいという思いもあります。そうすれば健康という意味での社会も変わるんじゃないかなと思います。
自分の技術とお客様を繋ぐという『おもてなし』と『分かりやすさ』
ー田口様にとっての最高のおもてなしとは何ですか?
田口さん:相手や場面にもよると思いますが、おもてなしをすること自体が目的になる事はなくて、あくまで手段なんだと認識しています。
お客様の抱えた痛みや悩みを解決するのに、教科書に書いてある知識や技術を伝えるだけでは治らないので、私の知識や技術とお客様のニーズとを「つなぐ」ことが非常に重要だと思っています。その中でも最大のおもてなしは「分かりやすさ」です。
これは教員をしていた母から、難しいことを難しく伝えるのは誰でもできる、難しいことをわかりやすく伝えるのがプロだと教わりました。簡単にいかないなと思いながら、いつもやっているんですけれども、その教えは根っこになっている私の武器ですね。相手に合わせるというつなぎとしてのおもてなしと、相手をよりハッピーにするという軸。
その両方が掛け算にならないと、知識や技術だけでは治らないんですよね。これはいつも感じることですね。
ー今日はたくさんの素敵なお話、ありがとうございました!自分も人もハッピーになれる体つくり。お話を伺っているだけでコンディショニングアップした気持ちになりました。
前編・後編と2回に渡り、最後までご覧頂きありがとうございました。
これからも様々なジャンルの「おもてなしの哲学」をご紹介してまいります。
乞うご期待ください!