【京都の最高級茶筒・開化堂】創業140年の老舗、6代目八木隆裕さんのOmonenashi(おもてなし)の精神に迫る!(後編):八木さんが大切にしている職人さん達とのコミュニケーションとは?

前回の記事では、100年先もお茶筒を作り続けるための「内への挑戦」と「外への挑戦」についてお伺いしました。

今回は、いよいよ後編。「どうやって職人さん達との良好なコミュニケーションを維持しているのか?」をお伺いしました。

職人さんとのコミュニケーションのポイントは、毎朝の朝礼とおやつの時間

↑一つ一つ蓋と筒の組み合わせを確かめる開化堂の職人さん。

八木隆裕さん(以下隆裕):毎朝の朝礼では、「今日自分が何をやるのか」を全員に発表してもらっています。そうすることで、「それだったら、私がこれをやるね」と自発的に作業の分担ができたり、「そんな作業をしているんだ」と共通認識が生まれます。また、僕も、昨日会った人や出来事についてを職人さんに伝えています

ー八木さんからそれを伝えてもらえたら、室内にいる職人の皆さんにも、八木さんの目線がどこを向いているかや、世の中での開化堂さんの評判などが伝わりそうですね✨

おやつの時間には、海外で美味しかったお土産なども振る舞います。

普段食べないお菓子を食べることは刺激になるだけではなく、海外での開化堂の活動の様子も、職人さんの耳に届きます。

出典:Hello Life

年2回は、個別に話を聞く機会も

隆裕:その他、年に2回は社員に職人さんに話を聞くようにしてます。具体的にはボーナスを渡す時すね。

 採用面接の時にも話すのですが、「職人になる=アーティスティックなことができる」ではない、と説明しています。「単純な日々の積み重ねだ」ということを分かってもらうため採用前にアルバイト期間を長めに設けるなどの工夫もしています。また、家族的なところで、「和をもって尊し」で働いて下さっています。その輪の中に入れるかどうかも採用の時には考えています。

100年後も同じことを続けているために、出来る限り小規模でやっています。

↑経年変化が楽しめる、開化堂の茶筒。

ーなるほど。製法を守るためにも、大きくしすぎないということもポイントなのですね。

隆裕:親父から茶筒の作り方を教えてもらったことは、実はなくて。これには理由があるんです。最初に「見て覚えろ」から始まります。「開化堂らしいこと」を覚えようとしたら、最初から教えてもらっては深いところまでは理解できない。こちらから覚えようとする姿勢を、身体で覚え込まないといけないんです。なので、最初から「見て覚えろ」なんです。そうして10年ほど経ってくると、だんだん放って置いても「開化堂らしいこと」を出来るようになってきたなという感じになっている。

 ここが、職人さんに教えるのと、僕に「見て覚えろ」というのの違いなんだと思います。

あと、ビジネスで僕が気をつけているのが、「何でも受けすぎてしまわないこと。」

いろんなことをやりたくなってしまうのですが、「やることが多すぎて負担になっている」状況を作らないようにも、なるべくしています。

ー色々あると、なんでもやりたくなってしまいますよね!私も多動症なので、、、分かります笑

 最後に、一言頂戴できますか?

冒頭にもお伝えした通り、「100年後も同じことを続けられるように」するのが僕の役割だと思っています。そのためにも、「遠くに飛ぶ事」ではないかと思います。今の時代を考えた時、WEの間にあるi として、(WiE)今なにかをするなら遠くに恐れずに飛ぶ。それでも、背中に付いてきているものが引っ張ってくれて、ちょうど良いところに落ち着ける。背中に先祖を感じつつ、未来を継ぐ次の代のことを考えることでしょうか。開化堂が手がけるものは、ハレの日ではなく、ケの日に使っていただくものです。そんな、ケの日の道具の最高級を提供したい

ーそれは、私たちの「おもてなし」の精神とも、とても共通するもので、驚きです!!常に最高のものを提供したい。そんな想いを強く感じました。

モダンな物作りの発想で革新的な挑戦を続けていらっしゃる【京都開化堂】さま。

今回は貴重なお話をありがとうございました!

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次回は、【日本の知的財産を世界へ!】元劇団四季プロデューサーでNYで活躍中の、LEGIT KATANA LLC 代表社員 瀧内泉さんに、コンテンツを通じたOmotenashi(おもてなし)についてのお話をお届けします。

この記事を書いた人

おもてなしパートナーズ