【京都の最高級茶筒・開化堂】創業140年の老舗、6代目八木隆裕さんのOmonenashi(おもてなし)の精神に迫る!(前編)

皆さま、こんにちは。

サービス業に携わる方や経営者の方に、ポリシーや哲学などを伺う、「おもてなしの哲学」インタビューシリーズ、第一弾。

今回は、創業140年、京都が誇る老舗の茶筒屋さん「京都開化堂」6代目の八木隆裕さんにお話を伺いました。
開化堂さんは伝統を守りながらモダンな物作りの発想で革新的な挑戦を続けていらっしゃいます。

↓開化堂さまの様々なプロダクトはこちら。

6代目八木隆裕さんはどのようなことを考え、どのようなポリシーで仕事をされているのでしょうか?
「おもてなしの哲学」編集部ならではの切り口で、その素顔に迫ってまいります✨

これからサービス業に関わりたいと思っている方必見!早速ご紹介いたします。

【開化堂6代目、八木隆裕が語る】100年先も開化堂らしいことを続けるために

 京都開化堂は、創業明治8年、140年の歴史を持つ最高級茶筒店。巧みな技で、音もなく閉まる蓋が閉まる緻密さは、職人の成せる技。

出典:日本経済新聞-音もなく閉まる蓋 驚異の手しごと


 開化堂の茶筒は、触っていくほど時代と共に味が出るもの。おじいさまが買ったお茶筒を受け継ぎ、孫が修理して大切に使う。そんな味のある茶筒です。

 開化堂6代目の八木隆裕さんが重きを置くのが、「この先100年後にも同じことをしていられるか。」そのためには、「内での挑戦と、外での挑戦を続けないといけない。」と、八木さんは考えていらっしゃいます。

6代目八木隆裕さんのカラーは、アメリカでの接客スタッフとの小さな会話から!

ーお父様の世代は、高度経済成長期だったと思いますが、隆裕さんの挑戦されていることは何ですか?

八木隆裕さん(以下隆裕):僕は、大学初年度の夏休みをアメリカのシンシナティで過ごしました。当時は学生らしく、「ありとあらゆるジャンクフードを食べてやろう!」などと思っていたのですが、一つ印象に残ることがあって。
洋服屋さんでメガネを買ったんです。
その時、接客を担当したスタッフの方から、『何買ったの?!つけてみてよ!』と言われて。
日本だと、モノを買ったら、「ありがとうございました」それで終わりじゃないですか。
このときに「ものを売る楽しさ」を教えてもらった気がします。
それから、僕はずっと海外に出たい!と言っていましたね。

ーなるほど。スタッフの方とのコミュニケーションが、とても印象に残ったんですね。
「海外に出たい!」というのは、とても共感を覚えます(笑)

隆裕:ですが、父に事業継承を反対されて。「後を継いでも稼げないから、会社勤めをしろ」と。
この時、「後を継いでも稼げない」を覆さないと、この先、自分の孫の代まで残る事業にできないなと感じましたね。

ーそう考えると、隆裕さんの「外での挑戦」とは、「海外に進出!」だったのですか?

隆裕:いえ、そういう意味ではないんです(笑)
実は、外での挑戦とは、「『工芸』の認知度を、国内外共にどれだけ高められるか」だと思っています。
工芸というものの認知が低くなってしまったり、重要性を感じられなくなってしまったら、孫の代まで活きるものではなくなってしまうでしょう?

ーなるほど!!では、隆裕さんのされている「工芸」を知ってもらうための活動とはどのようなことをされているのですか?

▶︎Next:「工芸」の価値の底上げや、内への挑戦について、次の【中編】でお伝えします✨

この記事を書いた人

おもてなしパートナーズ