【青山florist jardin du I’llony】代表取締役 谷口敦史様に伺う 自然のバランス・花が持っている色気を大切に お客様に届けたい想いとは

皆さま、こんにちは♡

サービス業に携わる方や経営者の方に、サービスやおもてなしのポリシーを伺う、「おもてなしの哲学」インタビューシリーズ、第13弾。

今回は、芦屋、青山、パリに店舗を構えるflorist jardin du I’llony (フローリスト・ジャルダン・ドゥ・アイロニー)代表取締役 谷口敦史様にお話を伺いました。谷口さまの活けるお花は、花の可憐さや色気が最大限に活かされています。

↑florist jardin du I’llonyのHP

谷口さまは、なぜお花屋さんになろうと思ったのでしょうか?届けたい想いは?

早速ご紹介してまいります♡

花の道を選んだきっかけは、一本の映画!

-谷口様、早速ですが、お花の道を選ばれたきっかけは何だったのですか?

谷口氏:HPにも書いているのですが、きっかけは1本の映画です。

ベッドオブローゼズ(邦題:マンハッタン花物語)という映画をご存知でしょうか?

主人公の男性が夜中に街を歩くのが好きなのですが、窓から泣いている女性を見かけ、その女性に男性がアタックするんです。最初は花を届けるのですが、女性はその価値が分からないというか、恋愛に対して臆病で…

彼の仕事である、花の配達についてきてもらうと、お花をもらった方が喜んでくれるという。

ラブストーリーの中のワンシーンなのですが、それを見て、お花屋さんって「いい仕事だなぁ」と思ったんです。

-なるほど。それは感動しますね✨

ですが、自分でビジネスを立ち上げる際に感じたことは、「自分たちから花を買ってくれる人、直接のクライアントが気に入っているだけでは、仕事として成り立たないな」ということです。

花は誰かに喜んでもらいたいと思って買うことが多いと思うので、その花をもらった方が喜んでくれないと仕事として成立しないんです。より沢山の人に喜んでもらうためには、ベースとして変わらないコンセプトが必要で。

それを考えた結果、より本質的な人が自然見てきた景色…「原風景に近いものを綺麗と感じやすい」ということにたどり着きました。

ですので、アイロニーでは「自然のバランス・花が持っている色気」を大切にしています。

jardin du I’llony 南青山店の様子。自然の光、明るさ、花の色気が活かされています。

日本は世界で見ると、面白いマーケット

谷口氏:日本は、世界から見ると面白いマーケットなんですよ。

実は、オランダが花のマーケットでは一番大きいんです。オランダからの距離や、農業という面で、自国の花生産があるかというところがポイントになってきます。日本は、オランダからの距離は遠いのですが、小規模の農家が多品種を作っていて、かつ品質のクオリティが高いということで、注目されています。

-Youtubeでの配信や、インスタグラムでのLive配信、オンラインレッスンなど、今はオンライン上での取り組みにも力を入れられていますよね。

はい。コロナ禍でイベント(催し物)が無くなったため、花業界もニーズが減ってしまいました。現在では、来店はオンラインでの予約制としており、オンラインストアも強化しています。

新しい手段を考えた時に、お客様の手元に、水揚げされたお花を届け、オンラインでレッスンをするということを始めようと思ったんです。花が産地からお客様に届くまでの流れとして、直送するより市場や、仲卸を通した方が流通のコストが下がるため、この流れは大切にしています。

↑とても人気な谷口様のYoutubeチャンネル。

オンラインでは「人柄が伝わること、この人から買いたい」と思ってもらえることを意識。でも、そのベースは「自分たちの作る花」があるからこそ。

谷口氏:オンラインで自社の情報を発信することにはあまり意味がないと思っていて、それより、皆さんにとって「誰から買うか」が重要なのかな、と思います。

「この人から買いたい!」と思ってもらえるには、人柄がわからないといけないと思っているので、素を見せられるというか、そのままの自分でいることが魅力と思ってもらえるような配信を心がけています。

また、繋がりを作るということも意識しています。

-パリの展示会など、沢山のところでご活躍なさっているのも、そのお人柄故でしょうか?✨

↑谷口様のお花は、王族も集う華やかな舞踏会『BAL DE L’ETE』などでも装花されています。出典:@Press

というよりも、花がつなげてくれたという側面が多いと思います。

オンラインでは人柄が伝わる配信と伝えましたが、結局は、「どんな花を作る人なのか」で、「こういう花を作る人なんだ」ということを見てほしい。やはり、「自然のバランスや、花が持っている色気」を大切にしてきた、自分の花があったからだと思います。自分たちが綺麗と思うものに対して誠実でありたいと思っています。自分のそのような部分に共感してくれる人や、花のことを理解して、評価してくれる人から、気に入ってくれる人同士で繋がっていくというイメージですね。

-オンラインでの魅力の出し方は、作品そのものへの評価があったからなのですね。今までされてきたことの中で、失敗などはございましたか?

失敗は、沢山。けれど、やめなければ成果が出る。

谷口氏:失敗は沢山してきましたよ!

けれど、失敗を恐れてやらないより、やってみた方が成果が出るのが早いんですよね。

やってみてダメだったことは、やり方を変えたらいい。やめなければ、成果が出るんです。

↑パリ店での様子。出典:サイボウズ式

これから狙っていることは?

-まず、やってみる。これはとても重要ですね!✨「世界一好きなお花屋さん」になるために才能あふれる谷口様だからこそ、今後どのようなビジョンをお持ちですか?

谷口氏:そうですね…今は、「転換期」かなぁと思っています。

今の店舗のまま売り上げ規模を大きくしていきたい。そのためには、アイロニーの世界観を言語化し、輪郭をはっきりさせるような作業やクリエーションをもっとしていくこと。

そして、それを組織の中に浸透させ、会社のルールを作っていきたいですね。

-なるほど。谷口様自身が手を動かすことではないのですね。では、具体的に表現したい世界観というのはどのようなものなのでしょうか?

最終的には、自然に還すように束ねられたらいいなと思っています。

これは誰が束ねたんだろう?と思われないように、自然の景色が呼び起こされるものを作って行けたらな、と思っています。そんなところも含めて、スタッフを育成していくことに、今後は注力して行きたいと思っています。

↑I’llonyのお花。どれもとても色気に溢れいています✨

-自然の魅力とお花の色気に溢れた、アイロニー。今後、このお花を手に取る方が一人でも増えたら嬉しいです!私も、大切な人に贈りたいと感じました!

今後も進化を続けるアイロニー。

谷口様のご活躍に、期待しております!

谷口様のYoutubeチャンネルはこちら💗

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素敵なお店の様子は、FaceBookからでもご覧いただけます!

コロナ禍で心が塞いでしまう時にも、お花はとても癒しになります。

谷口様とアイロニーの、今後の活躍に期待しています!

次回は、手作りの工芸品を世界に発信する【金網つじの辻徹様】の、固定概念を破る様々な挑戦についてお送りいたします!

この記事を書いた人

おもてなしパートナーズ