今回は、元フジテレビアナウンサーで、現在はアスリート・マーケティング株式会社 の役員やジャーナリスト、スポーツアンカー、講師、ライター、会社経営など、大変幅広く活躍されている田中大貴様にお話を伺いました。
これまで様々なアスリートや著名人ともお仕事をなさってきた田中様。
改めまして、今回はインタビューをご快諾いただきましてありがとうございます!
(※インタビューは2020年12月末に行ったものです。)
サービスは目に見えないからこそ、いくらでも価値を付けられる。
田中大貴様(以下田中):コロナ禍の現在で、皆様もさまざま考えられることが多いと思いますが、僕は「サービスは目に見えないからこそ、いくらでも価値を付けられる」と思っていまして。
モノに残らないと、「スキル」に見えないですよね。例えば、車のメーカーに勤めていたとして、「僕があの車を作りました」と言えば、人に自分の力として見せられるのは分かりやすいですよね。
でも、サービスはそうはいかない。
だからこそ、自分にスキルがないと思い込んでしまいがちですよね。でも、それは違うと思います。
サービススキルは目に見えないものだからこそ、いくらでも高い価値を付けられるものだと、僕は考えています。
-そのようにおっしゃっていただけて、とても光栄です。
特にコロナ禍において、私たちにいま「何ができるのか」は日々考えてしまう命題でした。田中様のお言葉に、大変励まされました。田中様は現在はフジテレビを離れ、独立されていらっしゃいますよね。私たちも、そんな田中様から学ばせていただきたいのですが、フジテレビのアナウンサーとして活躍されていた頃と、独立した現在とを比べて、人との付き合い方で変わった点などはございますか?
アナウンサー「田中大貴」の肩書きを忘れてもらうことが目標!
田中:現在は一人の社会人であり、経営者であり、ジャーナリストであるということが僕の一番大きなところです。僕はアナウンサーです、ということはあまり言っていないんです。
フジテレビで働いていた頃は、芸能人の方もジャーナリストの方も「フジテレビに出て頂いているお客様」でした。
当時は、「またフジテレビ番組に来たいと思ってもらえるように」という部分に気を遣って働いていました。「お客様」として扱われると向こうが構えてしまっていたり、距離や上下関係がありました。
現在は肩書きがなくなった分、対等に付き合えるようになったので、より深く相手に入っていけるようになりましたね。
話のプロから魅せるプロへ
-お仕事の内容面でも、大変変わった事と思いますが。
「メディアの中で身につけた力をどこにどう活かしていけるか」の世界を見ようと思って会社を飛び出ました。例えば、記者会見で「ロゴをこうしたらうまく撮れるのに!」などと思いながらオンエアを続けてきたので、今度は逆の立場になって、ブランディングで気をつけたほうがいい事を企業にも人にも伝えられるようになりました。アナウンサーでやっていた事が活かせる場所が意外と沢山ありますね。
-なるほど。現在、選手のブランディングやマネジメントをなさっていますよね。まさに、メディアで培った力が活きていますね。
田中:そうですね。選手たちがどうしたらハッピーになるかを考えてあげたいと思っています。
選手たちは競技に没頭してしまう為、自分がどのように見られているか、どのように自分を発信していくかを考えることは難しいです。選手にインタビューをする中で、選手の言葉からブランディングを考えています。
フジテレビのアナウンサーとしてのインタビューでは、柔らかい表情を引き出すことは難しかったんですよ。アナウンサーという肩書きを捨てたことによって、対等に話せる空気感を作ることがテーマです。田中大貴だからこそ出たい、と思ってくれたら最高ですね。
−田中様の仰る通り、Youtubeチャンネルには、普段テレビで見ることができないアスリートの魅力が詰まっています。独立した田中様だからこそ引き出せる、アスリートがリラックスして話す一面は、スポーツが好きな人は勿論、そうでない人も楽しめます。
Next▶︎▶︎▶︎次回は、田中様が大切にされているコミュニケーションのとり方についてお伝えします。(中編へつづく)