【アスリート・マーケティング株式会社】スポーツアンカー田中大貴様に聞く!多くのスポーツ選手や著名人と関わってきた中で見つけた、最高のおもてなしとは? (後編)

元フジテレビのアナウンサーで、現在はアスリート・マーケティング株式会社の役員やジャーナリスト、スポーツアンカー、講師、ライター、会社経営などで活躍されている田中大貴様のインタビュー、後編です。

全てのおもてなしは最高

−今までで最高だと感じたおもてなしはございますか?

田中:これが一番難しい質問だと思いました。

偏った考え方かもしれませんが、「おもてなしに順位付けは無い」と思っています。

ここにマネージャーさんがお茶を出してくれた事も最高のおもてなしだと思いますし、全てのおもてなしは最高だと思います。

もしかしたら、相手が後で振り返った時に「おもてなしされていたんだな。」と気づく事が深いおもてなしなのかもしれませんね。

例えば、特ダネ!の小倉智明さんには若い時に鍛えていただきましたが、小倉さんは質問する時、最初に相手の名前を呼ぶんです。敢えて先に名前を呼ぶ事で、相手に考える時間を与えてくれるんです。
それって、すごい優しさだと思うんですよね。
出演者は殆どそれに気づいていないんですよ。でも小倉さんは繊細に相手の事を考えて質問していました。
その姿を若い頃から見ていて、深いおもてなしだと感じて、これは真似しようと思いました。

−相手の名前を呼ぶって大事ですね。

田中:どのような場面でも、相手の名前が入っていた方が嬉しいと思うんですよね。例えば、LINEの文面も最初に相手の名前から始めると印書が変わってくると思います。

全ておもてなしでできていると思った方がいいですね。

サッカーの岡田監督がインタビューで仰っていた、「勝利の神様は細部に宿る」という言葉は本当にその通りだなと思います。
自分で会社を創って人を抱えるようになってくると、どのタイミングで連絡した方がいいか、どのツールで連絡した方がいいのかという事を、より繊細に考えるようになりました。

不快感を削いで、快適にお互いの思いがブラッシュアップされてコンパクトに通じるような状況を作りたいという事は常に思います。
最初から「おもてなしします。」と言ってしまうと相手が構えてしまうし、ハードルが高いと思います。
その時には相手が気付かないような、相手が後で振り返った時に「もてなされていたんだ」と気づくようなおもてなしが最高のおもてなしだと思います。

これが質問の答えかな、と思います。

自分軸ではなく相手軸に立つとアイディアが生まれる

−田中様の、今後なさりたいことや展望を教えていただけますか?

田中:困っている人たちや悩んでいる人たちを救い続けられればいいなと思っています。大阪でお付き合いのある会社様の経営方針会議があって、それが数字の事は一切話さず、考え方を話す授業みたいな会議だったんです。
そこで聞いた「自分軸になって自分側に感情が立ってしまうと、不満が出ます。相手軸で考えて相手側に立つと、アイディアが出ます。」という経営者の言葉はその通りだと思って、思わずメモしました。
そういう生活を送りたいなと思います。
利益も必要ですけど、困っている人を助けるという事が一番だと思うんです。
例えば仕事が無くて困っている人に相談されたら、こんな仕事紹介できるよ、とアイディアが出てくると思うんです。困っている人に相談されると相手軸に立つ事ができて、色々なアイディアが出てきますよね。それを続けられたら最高ですね。
企業の中に入って、困っている事は何ですか、そこにお手伝いできる事があるのではないでしょうか、という事がビジネスのスタートだと思います。それで今、20社くらいの会社と仕事をご一緒しています。

コロナを理由に断る事が好きではない


−コロナ禍でコミュニケーションが難しくなってきたと感じますが、どのように考えていますか。

田中:状況が変わっていますが、チャンスが沢山あると思っています。困っている企業さんや人も増えていると思いますし、自分たちが助けられるチャンスが増えていると捉えています。仕方ないとも思うのですが、コロナを理由にしてなんでも断れる、なんでも許されてしまうのは残念だと思っています。コロナだからこそ今何ができるか
を考える事が大事だと思います。表現の仕方としては「コロナだからこそ、今○○できますね!」というアプローチをしています。時間ができるという事はコミュニケーションのチャンスが増えるという事ですよね。直接会えなくても、沢山考えを聞いて、沢山アイディアを貰っておいて、コロナが終わった時にスタートダッシュを切れるのが良いですよね。

できる棚に沢山カードを並べる


田中:できる棚とできない棚があって、できる棚に沢山カードを並べられる人は、やっぱり成功している人が多いと思います。
できない棚にカードを並べてしまう人は他の世界に行っても同じ流れができてしまうので、(成功するのは)難しいと思います。後輩にも、できる棚にカードを並べるように教えています。

あとは一歩踏み出す事が大事です。

ボクシングの村田諒太くんに、リベンジマッチの時に怖くなかったか聞いてみると、「踏み出そうか悩んでいる時が一番怖いんです。踏み出してしまえば目標に向かっていくだけなので、不安は全部削ぎ落とされます。なぜなら、目標に向かっていくという覚悟ができるからです。」と言っていて、確かにそうだなと思いました。

とにかく、怖さを感じなくなるほど動くのが大事ですね。それができている人が成功しています。
自分に引き出しが無いとしたら、人に会って聞くしか無いと思うし、怖いなら、怖さを忘れるくらいに動いて進んでいく事が大事だと思います。

−田中様のインタビューからはコミュニケーションが生み出す様々な可能性を感じました。
「気付かれないおもてなしこそが最高のおもてなし」という、おもてなしの哲学も伺うことができました。まさに、そんなおもてなしを受けた時に心が温かくなった経験を思い出しました。常に変わらない心を持ちながら、相手に寄り添って物事を考えられる田中様の人生から、皆様も何か学び取っていただけたら幸いです。
田中大貴様、インタビューにご協力頂き誠にありがとうございました。

次回は、今や世界中で愛されるラーメンとなった「一風堂」力の源ホールディングス取締役 山根智之様にお話を伺います。「変わらないために変わり続ける」そして一杯のラーメンに込められた想いとは・・・乞うご期待です!

この記事を書いた人

おもてなしパートナーズ